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ゲインステージング入門:-18dBFS と -6dBFS、どちらを目安にする?

更新

「ミックスを始めると、すぐにマスターの音が割れてしまう」「コンプやサチュレーターの効きが、日によって違う気がする」。こうした悩みの裏にあるのが、各トラックの音量(ゲイン)の整え方、いわゆるゲインステージングです。

ゲインステージングとは、録音から各プラグイン、最後のマスター出力までの「通り道」で、音量が大きすぎたり小さすぎたりしないように整えることです。この記事では、音響技術誌 Sound On Sound(以下 SOS)の記事で確認できる内容をもとに、-18dBFS と -6dBFS の違いと、今日からできる手順を紹介します。

「dBFS」は、デジタル音声で出せる最大の音量を 0 として、そこからどれだけ下かを表す単位です。0dBFS を超えると音が削られて「クリップ」(デジタルの歪み)になります。

「-6dBFS」と「-18dBFS」は、測っているものが違う

ネットでは「-6dBFS にそろえる」「-18dBFS にそろえる」という2つの助言が並びますが、SOS の Q&A によると、どちらも正しくなりうるものです。理由は、見ている数字の種類が違うからです。

DAWの中では、本当は割れない。それでもそろえる理由

SOS によると、DAW が32ビットまたは64ビットの浮動小数点で処理している場合、DAWの内部ではクリップしません。技術的には、DAW内のゲインステージングは必須ではなく、オーディオインターフェースの出力に向かうチャンネルが 0dBFS を超えなければよい、と書かれています。

それでも整えたほうがよい理由として、同じ記事は次の3つを挙げています。

アナログ風プラグインでは、入力の大きさが音色を左右する

SOS の「Gain Staging In Logic Pro」では、アナログ回路をまねたプラグインは、入力や出力のゲイン段まで再現しているものが多く、一定の余裕(ヘッドルーム)を前提にしている、と説明されています。各チャンネルのピークを -18dBFS 以下に保つ人もいて、これはステレオ出力が過負荷になりにくくなる点でも都合がよい、という内容です。

ただし、同じ記事は「普遍的なルールはない」とも書いています。どのくらいの入力が適切かは、プラグインごとのマニュアルで確かめるのが確実です。

今日からできる5つの手順

上の内容をふまえた、ミックスの最初にやる流れの一例です。数字は絶対ではなく、「自分の中で一定にする」ことが大切です。

つまずきやすい点と対処

ほかの記事もあわせて

音量の整え方を覚えたら、無料のEQとコンプで実際に試してみるのがおすすめです。「無料EQ・コンプ TDR Nova と Kotelnikov」(/guide/free-eq-compressor-tdr-nova-kotelnikov)と、「無料リバーブ・ディレイ Valhalla Supermassive の使い方」(/guide/free-reverb-delay-supermassive)も参考にしてください。音が途切れる・遅れる場合は「バッファサイズと音の遅れ・途切れ」(/guide/buffer-size-latency)です。エフェクト系の無料プラグインは「エフェクト・ミックス」カテゴリ(/category/effects)、無料配布は「無料配布」カテゴリ(/category/free)で探せます。

よくある質問

運営者のひとこと

私の Mac には Logic Pro と FL Studio、それに無料のメーター Youlean Loudness Meter 2 と SPAN が入っています。音量は耳だけだと時間や体調で感じ方が変わるので、私なら耳で決めたあとにメーターの数字でも確かめる順番をおすすめします。

— ともえ(DTM PICKS 運営者)

参考